初回ブログでは「特定技能」の創設の背景についてお話ししました。第2回目の今回は、外国人の在留資格についてお話しします。


◆外国人の在留資格

これまでの日本の入管政策は、人手不足を補うことを目的に、外国人労働者に対して就労系在留資格を与えるというスタンスではなかったため、いわゆる単純労働とされる仕事に就くための在留資格は存在しませんでした。あくまで優秀な外国人に限り高度な専門職として日本で働いてもらおうという考え方のもと就労ビザが与えられ、専門的・技術的分野の外国人の就業を促進してきたということです。「専門的・技術的分野」と言われる高度な専門的な職業・大卒のホワイトカラー層・技術者等に限定されていたといえます。日本での就労を希望する外国人にとって、この「専門的・技術的」という言葉が、就労ビザ取得のとても高いハードルとなっていました。

http://www.immi-moj.go.jp/tetuduki/kanri/qaq5.pdf


◆「特定技能」は外国人労働者の在留資格

そこで今年4月から登場した「特定技能」が注目されているのです。これまでにあった、「外国人技能実習制度」とよく混同されるのですが、技能実習制度は、開発途上国の労働者を日本企業で技能実習生として受け入れ、日本の労働力として活用するだけではなく、実務を通じて分野の技能を修得してもらい、帰国して母国の経済発展に役立てることを目的とした制度です。技能実習は労働力の需給調整に利用してはならない(技能実習法第三条第二項)のです。外国人技能実習制度は就労資格ではないということです。あくまで国際協力の推進が目的なのです。

一方で新設された「特定技能」はこれまで認めていなかった単純労働の分野における新しい在留資格なのです。


◆次回は、いよいよ特定技能の解説に進みます